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第8章 エネルギー政策とLPガスの未来

LPガス産業の中長期展望
(改め「LPガス産業の2025年ビジョン」)

日本LPガス団体協議会の会員団体である日本LPガス協会は2010年3月、「LPガス産業の中長期展望」を策定しました。この展望は、2030年に向けたLPガス産業の将来像を描きながら、主として元売り事業者の立場からその実現に向けた課題を整理し、6つの取組方針として取りまとめたものです。

本展望は、2011年3月の東日本大震災以降の環境変化を踏まえ、2012年3月に一部改定され、また、2014年4月の第4次エネルギー基本計画の閣議決定等を受け、2015年7月には第二回目となる改定を行いました。

その後、LPガス産業を取り巻く国内外の情勢が大きく変化したことを受けて、2018年11月に第三回目となる改定を行うに当たり、目標年を2025年に5年間前倒しし、取組方針も6つから5つへ集約するとともに、LPガス産業の中長期展望から「LPガス産業の2025年ビジョン」へと名称を変更しました。

LPガス産業の目指す姿

LPガス産業は、我が国のエネルギー政策が再生可能エネルギーなど非化石エネルギーへの傾斜を一層強め、社会の低炭素化実現を目指す中、LPガスの特長である供給安定性及び CO2排出原単位が低い環境特性を活かし、地球温暖化対策に貢献しつつ LPガスの需要拡大を目指す。

2025年ビジョンのポイント
「LPガス産業の2025年ビジョン」
のポイント

日本LPガス協会は、LPガスのさらなる「安定供給確保」に向けた供給ソースの多様化を進め、「LPガス品質と安全の維持・確保」を図っていくと共に、以下のポイントを重点に据え、『2025年ビジョン』の実現化に向けて取り組んで参ります。

① 快適で豊かな暮らしのサポートを促進します。

エネファームを始めとする家庭用高効率機器や暮らしに役立つ LPガス設備の普及促進により、快適で豊かな、潤いのある生活をサポートします。

エネファーム

② 災害時における「最後の砦」として人々の暮らしを支えます

災害に強い分散型エネルギーとしての強みを活かし、GHP(ガスヒートポンプ)と LPガス発電の組合せによる学校教室、体育館等、社会の重要インフラのへ冷暖房化推進によって、電源喪失時等の非常時でも人々の暮らしを支えます。

LPガス用GHP

LPガス発電機

③ 環境にやさしいエネルギーとしてクリーンな社会を創造します

クリーンで環境にやさしいエネルギーとしての特性を活かし、石油系燃料等からの燃料転換に加え、IMO(国際海事機関)の環境規制強化を受けた LPG 燃料船の普及に向けた取組みを、関連業界と連携して進め、地球温暖化への貢献に繋げます。

LPG燃料船

④ お客様への新たなサービス提供を目指します

IoT技術の活用等を通じて国内物流の合理化を進め、FRP 容器を始めとする新たなサービスを創出・提供することで、お客様から選ばれるエネルギーとなることを目指します。

次世代LPガス集中監視システム

以上の取組を通じ、
2025年の総需要量として、
1,500~1,600万tを目指します。

取り組みの具体例
取組方針
1

需要拡大に向け克服すべき課題と取組み

  • 1.税制・LPガス産業育成の政策に関する対応
  • 2.LPガスの高度利用の推進
  • 3.IMOによる船舶燃料の環境規制強化への対応
  • 4.広報戦略・市場対応
取組方針
2

LPガスの安定供給

  • 1.LPガスの安定供給に向けた取組み
  • 2.LPガス備蓄の在り方
  • 3.国内物流の効率化(輸入基地・二次基地)
取組方針
3

効率的かつ強靭な物流体制の構築

  • 1.災害対応力の強化
  • 2.国内物流の進化と次世代インフラの構築
取組方針
4

環境への取組み

  • 1.低炭素社会実行計画の充実
  • 2.再生可能エネルギー利用の推進及び共生
取組方針
5

品質及び安全確保のための取組み

  • 1.品質の確保
  • 2.安全確保に向けた取組み