第5章 災害にも強いLPガス
LPガスは災害にも強い分散型エネルギー
災害にも強いLPガスの特徴
LPガスは都市ガスや電力などの系統供給とは異なり、容器に充填したLPガスを各戸に配送をする「分散型」供給を行っています。これにより、配管など供給設備の点検も短時間で済み、異常があった場合も迅速に復旧させることができます。例えば、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県、宮城県、福島県では、津波で建物が損壊または流されてしまったもの等を除いて、地震発生後約3週間程度で大方の復旧が完了し、都市ガスおよび電力よりも早い時期に全面復旧を果たしています。
また「軒下在庫」として常時LPガスを容器にストックしているので、万が一配送が滞った場合でも、すぐにガスが切れるということはありません。例えば50㎏容器が2本設置されている場合、1本の容器に半分程度のLPガスが残っていれば、およそ1ヶ月程度はそのまま使用することができます。LPガスは災害時の備蓄用エネルギーとして、そのままご活用いただくことができます。
LPガスと都市ガスの違い
- 配管が短いため、異常があれば即修理可能
- 1戸単位で安全を確認し復帰可能なため、復旧までの時間が短い
- 数百戸、数千戸単位で埋設配管等の安全確認が必要なため、復旧に時間を要する
LPガス容器による「軒下在庫」
被災3県における各インフラの供給不能戸数の推移(推計を含む)
防災対応型マンションへの導入
LPガスの高い災害対応能力を活用し、特に都市ガスエリア内の集合住宅において、LPガスを使用する物件が登場しています。東京都江戸川区、神奈川県横浜市に建設された「防災免震賃貸マンション」には、「LPガス災害対応型エネルギーシステム」が採用されており、都市直下型地震等の災害により一時的に系統電力や都市ガスの供給が途絶した場合でも、敷地内に設置されたLPガスバルク貯槽によって安定的にLPガスを供給し、非常用発電機によって必要最低限の電力も確保できるようになっています。
LPガスバルク貯槽は、電話回線による集中監視システムによって24時間管理されており、ガス残量が一定量を下回ると自動的に配送センターに連絡がなされ、充填される仕組みになっています。またガス漏れ等の異常を検知した場合も同様に通報され、直ちに専門スタッフが対応するため、安全にLPガスをお使いいただくことができます。