第2章 LPガスとスマートハウス
家庭用燃料電池「エネファーム」
エネファームの仕組み
アイシン製 燃料電池 |
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定格発電出力 | 700W |
発電効率/総合効率 | 51%/85%(低位発熱量基準による) |
貯湯タンク容量 | 28リットル |
最大ガス消費量 | 1.35kW ± 10% |
接続電力 | 200V 単相3 線式(50/60Hz) |
外形寸法 | 1,195mm(H)× 780mm(W)× 330mm(D)(突起部含まず) |
パナソニック製 燃料電池 |
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発電出力 | 300~700W |
定格発電効率 | 35.0%(HHV) 38.0%(LHV) |
定格熱回収効率 | 52.5%(HHV) 57.0%(LHV) |
最大ガス消費量 | 87.5%(HHV) 95.0%(LHV) |
貯湯タンク容量 | 140リットル |
エネファームの特徴
家庭用燃料電池「エネファーム」は、LPガスから水素を取り出して空気中の酸素と化学反応させることにより発電を行い、同時に発生した排熱を利用して給湯も行うコージェネレーションシステムです。化学反応を利用して発電を行うため、従来型システムに比べて高い省エネ性・環境性を兼ね備えています。
エネファームによる発電で家庭で使用する電力の約7割をまかなうことができ、系統電力の購入量の削減やピークカットに貢献することができます。また、使用状況に合わせて最も効率のよい運転を自動的に学習する機能がついているので、面倒な操作も必要ありません。
エネファームの種類
現在エネファームには、PEFC(固体高分子形)とSOFC(固体酸化物形)の2種類があります。PEFCは排熱回収効率が高く起動停止が比較的容易、またSOFCは電力負荷に合わせて24時間連続運転を行い、PEFCに比べて発電効率が高く本体も小型という特徴があります。実際の運用や設置条件に合わせて、それぞれ適したタイプを選択することができます(LPガス仕様はPEFCのみ)。
2009年の発売開始以降、エネファームは頻繁にモデルチェンジがなされており、高効率化、小型化、低コスト化が現在進行形で進められています。また東芝機には、停電時にもバッテリーなしで運転できるよう自立発電機能が搭載されており、系統電力の途絶時でも継続的に発電することができます。
エネファームと太陽光のダブル発電
エネファームによって出力が不安定な太陽光発電を補完することにより、CO2のさらなる削減、売電量のアップなど様々なメリットが生まれます。エネファームで発電した電力を優先的に消費することにより、太陽光で発電した電力の自家消費分を削減することで、より多くの電気を電力会社に売電することができます。
ダブル発電による売電量アップ
エネファームの普及
現在、国では分散型発電システムの普及促進の一環として、エネファーム導入補助制度を2009年より実施しています。それにより、2014年には普及台数が10万台、2019年11月には30万台(都市ガス仕様機含む)を突破しました。
近年、日本各地で自然災害に伴う大規模停電が発生していますが、エネファームの停電時発電機能によって、停電中も冷蔵庫、洗濯機、扇風機等の一部家電やお湯の使用、携帯電話の充電等がお使いいただけることから、エネファームはその高い省エネ性だけでなく、レジリエンス性という新しい価値にも注目が集まっています。