第7章 LPガスの安定供給
世界のLPガス需給
世界のLPガス生産量
世界のLPガス年間生産量は約3.3億トン(2019年実績)で、2018年比3.7%増となりました。グラフに示す通り、LPガスの生産量はシェール革命、新規天然ガス田の開発等により増加傾向にあります。
地域別で見ると、「アジア・太平洋」「北米」での生産量が大きく増加している一方、これまでLPガス生産量の主軸を担ってきた中東の伸びが緩やかになってきています。
またLPガス国別輸出量の推移を見ると、原油随伴を中心とする国は減少傾向で推移していますが、天然ガス随伴を中心とする国は上昇傾向で推移して、供給構造が大きく変化しています。LPガスの輸出量も2019年は約1億3,000万トンとなり、2018年比で6.7%増、2010年比で62.9%増と年々増加しております。
LPガス生産量の推移
LPガス国別輸出量の推移
世界のLPガス需要量
現在世界全体のLPガス需要量は約3億2,000万トン強(2019年)で、2018年比2.7%増、2010年比32.3%増となりました。特に経済成長が著しいアジア・太平洋で2018年比6.2%増、アフリカで2018年比4.8%増なっております。国別のLPガス需要量ランキングでは、中国、アメリカ、インド、サウジアラビア、日本となり、日本のLPガス需要量は世界第5位となります。10,000千トンを超えるLPガス需要量を誇る国は、世界で7か国となります。
LPガス需要量の推移
国別需要量ランキング(2019年)
世界のLPガス需要量
世界におけるLPガスの用途別構成比は家庭業務用が約43.6%、次いで、化学原料用が約28.2%、工業用が約10.6%を占めています。
北米、欧州・ユーラシア、中東では、LPガスを化学原料用の原料として、アジア、アフリカでは、LPガスを家庭業務用の燃料として使用しています。
アジア、アフリカでは薪や炭を家庭用の燃料として利用するため、煤(すす)による深刻な健康被害等が数多く報告されています。薪や炭ではなく、LPガスの利用促進を図ることは、健康被害から人々を救うことにもつながっています。