Clwan & Powerful LPガス読本 Clwan & Powerful LPガス読本

第7章 LPガスの安定供給

LPガスの生産方法

LPガスの採掘

LPガス(プロパン、ブタン)は、油田や天然ガス田の内部にメタンやエタンなど他のガスと混在した状態で存在しています。そのガスを地上の設備に移送してプロパン、ブタン、他のガスなどに分離・回収し、さらに硫黄や水銀などの不純物を取り除くことにより、プロパン、ブタン、他のガスなどの最終製品となります。油田で生産されたものを「原油随伴」、天然ガス田で生産されたものを「天然ガス随伴」と呼んでいます。最近では原油随伴が減少し、天然ガス随伴の比率が増加しています。またLPガスは原油にも含まれており、製油所で原油を精製によって分離されています。

LPガスの生産方法

陸上油田(パキスタン)

洋上ガス田(ロシア・サハリン)

洋上ガス田(アンゴラ)

「シェール革命」とLPガス

近年、米国を中心として新しい油田・ガス田の開発が活発化しており、「シェール革命」として注目を集めています。従来、経済的に掘削が困難と考えられていた地下2,000メートルより深くに位置するシェール層の開発が2006年以降に進められ、生産が本格化してきました。シェールガスを採掘可能な場所は世界中に分布しており、世界のエネルギー市場等に影響を与えています。

シェールガスにはLPガスも含まれており、シェールガス、シェールオイル由来のLPガス生産は始まっています。こうした状況を受け、今後はLPガス調達先の多様化、中東依存度の低減、安定的な価格体系の形成等にシェール革命が寄与すると期待されています。

シェールガスの掘削
シェールガスからのLPガス生産設備
新パナマ運河の開通

2016年6月27日、大型LPG船「LYCASTE PEACE」が商業運用開始後の初船として、拡張工事の完了したパナマ運河を通航しました。その後も多くのLPG船がパナマ運河を通航しています。
米国メキシコ湾から日本着まで、従来は喜望峰周りのルートで約45日かかった輸送日数が、パナマ運河を通航することにより30日以下に短縮されました。

(写真提供:アストモスエネルギー)