災害対応バルクの特長やユーザー様インタビューを動画で公開しています。是非ご覧ください。
第5章 災害にも強いLPガス
災害対応型LPガスバルク供給システム
「災害対応型LPガスバルク供給システム」とは?
「災害対応型LPガスバルク供給システム(災害対応バルク)」とは、LPガスのバルク貯槽と、供給設備(ガスメーター、圧力調整器など)・消費設備(煮炊き釜、コンロ、暖房機器、発電機、ガスホースなど)をセットにしたもので、地震や津波など大規模災害により電気や都市ガス等のライフラインが寸断された状況においても、LPガスによるエネルギー供給を安全かつ迅速に行うことを目的として開発されたシステムです。
災害対応バルクには、緊急時にすぐに使用できるようにマイコンメータやガス栓ユニットが標準装備されており、ワンタッチカップリングを使えばガスコンロや暖房機器などを簡単に接続することができます。また、バルク貯槽のサイズには300kg、500kg、1,000kgの3タイプがあり、平常時は通常のバルク貯槽として使用することができます。
災害対応型LPガスバルク供給システム
災害初期対応用として十分な供給能力
災害発生時の初期対応において、外部からの救助・支援が期待できない発生直後の3日間程度をいかにして乗り切るかが、最も重要な課題とされています。災害対応バルクの使用可能時間は、貯槽内のガス残存量および燃焼機器のガス消費量に依存します。1トン型バルク貯槽について表に示すような前提で試算した場合、LPガス発電機(定格出力900VA)1台を稼働させると、ガスストーブ5台を24時間使用し、水源が確保されると、ガス炊飯器により70人分のご飯(1日3食)を賄い、ガスコンロ2台と給湯器1台を1日各3時間使って、温かい汁物を作ったりシャワーを浴びたりすることが可能です。災害対応バルクは、災害時の初期対応に十分な供給能力を持っています。
燃焼機器の1日当たりのガス消費量(例)
燃焼機器 | ガス消費量 (kg/h) |
1日当たりの 使用時間(h) |
台数 | ガス消費量 (kg/日) |
|
---|---|---|---|---|---|
ガスコンロ (4重) |
直径54cmの寸胴を2台同時に煮炊き | 1.30 | 3 | 2 | 7.80 |
ガス炊飯器 (5.5升炊き) |
約70人分一人当たり1日3合(1合×3回)、 炊飯回数を2回とした場合 |
0.71 | 1 | 2 | 1.42 |
ガスストーブ | 約170m2相当を暖房可能 | 0.42 | 24 | 5 | 50.40 |
ガス発電機 | 定格出力0.85kVA | 0.50 | 24 | 1 | 12.00 |
ガス給湯器 (16号・給湯) |
シャワー使用 | 2.10 | 3 | 1 | 6.30 |
ガス給湯器 (16号・ふろ) |
おふろ給湯(160ℓ) | 0.80 | 0.17 | 1 | 0.14 |
合計 | 78.1 |
使用可能日数の目安 850kg ÷78.1kg/日≒10.8日(1トン型バルク貯槽で容量の15%程度まで使用した場合)
災害時に最も適したエネルギー
他の液体系燃料に比べ熱量が高く、燃焼時の排気ガスもクリーンで経年劣化もしないLPガスと災害対応バルクの組み合わせは、災害時のエネルギー確保という問題に対する最適な解決策です。この高い災害対応能力が評価され、現在全国の学校や公民館等の公共施設、病院、福祉施設等でLPガスおよび災害対応バルクの導入が進められています。
社会福祉法人 大和福壽会様(宮城県塩釜市)
東日本大震災で被災した際、電気、都市ガス、水道がストップしたが、LPガスが使用可能であったため、入居者・職員200名以上分の食事とGHPによる避難者の暖房の確保、風呂に入れない地域住民への風呂の提供をすることができ、LPガスの災害対応力の高さを改めて実感。その経験を踏まえ、新たに災害対応バルクと非常用発電機を導入した。
横浜市立中学校様(77校)
横浜市は防災対策として、LPガスの常設と軒下在庫の確保が有意義であるとして、都市ガスエリア内の中学校77校にLPガス設備(50㎏容器4本、給湯器等)を設置。それに加え同市は(公社)神奈川県LPガス協会と防災協定を締結し、非常時における安定供給の確保も図っている。
大阪府箕面市立小学校様(体育館)
大阪府箕面市立小中学校体育館は学校教育だけでなく、地域の避難所等にも利用されることを考慮し、LPガス仕様GHP、非常用発電機等が導入されている。
動画のご案内
災害時に役立つLPガス
災害時に災害対応バルク等のLPガス供給を確保することによって、煮炊きや暖房、発電などの機器を使用することができます。移動式の供給設備や発電機をセットにしたものなど、現在各メーカーから様々な機器が市販されています。