補助金制度のご案内


工業炉、ボイラ等の燃焼設備(エネルギー多消費型設備)の省エネルギーを図るとともに、CO2の低減に寄与する石油ガスの高度利用を行う事業者に対し、その設備更新または改造に要する経費(設計費、既存設備撤去費、新規設備機器費、新規設備設置工事費、供給・配管設備費)の一部を補助するものです。


[ 平成28年度補助金交付予算額:3.9億円 ]


1.対象事業者: 家庭用需要を除く全業種(リース・エネルギーサービス等についても対象)


2.対象事業

(1) 燃焼エネルギーを利用する工業炉、ボイラ、乾燥炉、焼却炉、冷温水機、自家発電設備等のエネルギー多消費型設備に対し、以下のすべての要件に適合する設備の更新または改造を行い、省エネルギー性、省CO2性に優れていると認められるものを対象とします。

3.対象燃料

(1) 更新または改造後使用燃料:石油ガスを主原料とするガス。

なお、液化石油ガスの炭素係数については、「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令」に定める値を用いることとします。

【炭素係数】
液化石油ガス×1.10 0.0177tC / GJ


4.対象設備

下記(1)(2)(3)(4)(5)(6)は補助事業の要件であり、すべてに該当することが必要です。

(1) エネルギー多消費型設備の基準に該当すること
(2) 対象設備が更新または改造により5%以上の省エネルギーが図られること、または、高効率設備の基準に該当すること。

5%以上の省エネルギーが図られるとは、更新・改造後設備で同条件の出力を得るために必要な燃料の消費量(熱量換算値)が95%以下になることをいいます。蒸気ボイラであれば、原則定格運転時における単位熱出力あたりの燃料消費量を、工業炉であれば、定格運転(仕様の処理量での運転)時における単位処理量あたりの燃料消費量を比較して減少率を求めます。なお、単位発熱量は燃料別の低位発熱量(空調・冷温水機は高位発熱量)を用いて計算します。省CO2率の判定は対象設備全体で行います。

(3) 対象設備の更新または改造によって12%以上の省CO2が図られること

12%以上の省CO2が図られるとは、更新・改造前後の設備において、同条件の出力を得るために、それぞれの設備に応じた燃料を燃焼させることによって発生するCO2量を比較(設備の効率向上および燃料種によるCO2発生量差を加味)し、発生するCO2量が88%以下になることをいいます。なお、単位発熱量は燃料別の高位発熱量を用いて計算します。省CO2率の判定は対象設備全体で行います。

(4) 省CO2の費用対効果の値が100.0千円/▲t-CO2未満であること

省CO2の費用対効果とは、対象設備を更新または改造することにより削減される二酸化炭素排出量当たりの交付補助金の値となります。

(5) 補助対象経費における燃料消費量削減効果による投資回収が4年以上の事業であること

投資回収が4年以上の事業であることとは、設備更新・改造による省エネ効果としての1年分の燃料の削減量を原油に換算し、燃料単価を乗じることで得られる1年分の燃料代金削減額により、補助対象経費を除すことで得られる年数を投資回収年と呼び、これが4年以上となる事業であることです。この投資回収年が短いほど、設備更新・改造による投資を容易に回収できることから、本補助事業では4年未満となるものを補助対象外としています。

【投資回収年計算式】
補助対象経費/(原油換算燃料削減量×@燃料単価)
【投資回収年計算用 燃料単価】
56,000円/KL
(財務省貿易統計2014年1月~2015年12月の平均値)

(6) 対象設備に燃料使用量を測定する専用の計測装置を取り付けること

補助事業の有効性確認のため、対象設備専用の計測装置の設置が必要です。下記の条件に該当する場合を除き、ガス供給事業者の取引用メーターは専用の計測装置とは認められません。

<取引用メーターを専用の計測装置として認める条件>

1) 該当取引用メーターの系統のガス配管には同一群の対象設備のみが存在すること。
2) 該当取引用メーターの系統のガス配管には将来用のバルブ・プラグ止め・フランジ止め等が存在しないこと。
3) 該当取引用メーターの系統のガス配管は耐用年数期間改造工事を行わないこと。
4) 燃料使用量データ報告のための燃料使用量の計測および集計は温度圧力補正を含め、申請者自身が行うこと。
5) あらかじめ、専用の計測装置に関する約束書および必要な添付書類を日団協に提出し、その承認を得ること。

5.補助対象範囲

エネルギー使用合理化事業者支援補助事業に係る設計費、既存設備撤去費、新規設備機器費(含む計測装置)、新規設備設置工事費(含む改造工事費)、供給・配管設備費

(1) 設計費、既存設備撤去費、新規設備機器費(含む計測装置)、新規設備設置工事費(含む改造工事費)の補助対象範囲
(2) 供給・配管設備費の補助対象範囲

※定格流量未定の補助事業外設備が計画されている場合、閉止フランジを設けた場合等、定格流量比で按分相当額を求められない場合は、配管の断面積比により按分相当額を計算し、判定します。

(3) エネルギー使用合理化事業者支援事業の類型毎の補助対象範囲

更新・改造前設備の機能分・能力相当分が補助の対象となり、増加分は按分減額の対象になります。(業務方法書別表2別紙2参照)
ただし、一般的に入手可能な機器の中で必要最小限の能力増加であり、かつ、熱の利用形態に原則変更が無い場合は、更新・改造前と同能力と見なせる場合があります。ご不明な場合は事前に日団協へお問い合わせ下さい。


6.補助率

補助対象経費の1/3以内


7.補助金上限額

1.8億円/1補助事業


8.交付決定

予算枠を超えた際には、費用対効果※1の大小で交付先の決定を行います。
なお、別に定める中小企業優遇または次世代エネルギー・社会システム実証地域優遇を申請した申請者が実施する補助事業については、費用対効果に1/2の係数を掛けて優遇します。(但し、これらの優遇措置は重複しません)
優遇の判定は、補助事業の対象となる設備の使用者が優遇対象であるかで判定します。


※1 費用対効果:二酸化炭素排出削減量※2当たりの交付補助金[千円/▲t-CO2]
※2 二酸化炭素排出削減量[▲t-CO2/年]=更新・改造前CO2排出量[t-CO2/年]-更新・改造後想定CO2排出量[t-CO2/年]

なお、算出するCO2排出量は、更新・改造前後の設備において、燃料を燃焼させることによって発生するCO2量をいいます。


中小企業者については、中小企業庁の定義に従っております。日本標準産業分類による業種を4区分(卸売業、小売業、サービス業、製造業その他)に分類し、それぞれの区分で、資本金の額(または出資の総額)、従業員の数の基準に該当するものを中小企業者としています。

中小企業者の基準
業種分類 資本金の額又は出資の総額 常時使用する従業員の数
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業 5千万円以下 50人以下
サービス業 5千万円以下 100人以下
製造業その他 3億円以下 300人以下

※資本金規模もしくは従業員規模のどちらかに該当することが必要です

※資本金の額では該当せず、常時使用する従業員の数で該当する場合は、それを証明する書類が必要となりますので、日団協までお問い合わせください


9.申請者の資格等

補助金の交付を受けようとする者(以下「申請者」という)は(1)の対象事業者でかつ次の各号のいずれかに該当する者(法人にあっってはその役員)の場合は申請することが出来ない。また申請にあたっては、『暴力団排除に関する誓約事項』に同意していただきます。

(1) 高圧ガス保安法若しくは液化石油ガス法又はこれらの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
(2) 成年被後見人
(3) 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
(4) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第45号)第204条(傷害)、第206条(現場助勢)、第208条(暴行)、第208条の2(危険運転致死傷)、第208条の3(凶器準備集合及び結集)、第222条(脅迫)若しくは第247条(背任)の罪 若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)の罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
(5) 補助事業に関し、次条第1項の補助金交付申請書及び添付書類のうち重要な事項について、虚偽の記載をし、又は重要な事実の記載が欠けている者
(6) 経済産業省から補助金等の交付及び事業の委託の停止処置を受け、その停止期間が経過していない者