液化石油ガス容器へのラベル表示とリスクアセスメントについてのQ&A
Q.1プロパンの容器にはラベルを貼付しなくてもよいのか
- A.1
- 50kg(120リッター)以下のプロパンの容器は「主として一般消費者が使用するためのもの」と考えられラベルを貼付する必要はありません。
50kg(120リッター)を超える工業用の大型容器にプロパンを充てんする場合、プロパンに1w(重量)%以上のブタン又はペンタンが含まれていればラベルの貼付が必要です。
製品名に「プロパン」と記載されている液化石油ガスの試験成績表をみると、ブタン(イソブタン+ノルマルブタン)の濃度が1w(重量)%を超える場合があり、その場合はラベルの貼付が必要となります。
まず、試験成績書で、ブタン、ペンタンの濃度をご確認ください。尚、試験成績書に記載されている液化石油ガスの組成はMol(モル)%で記載されており、w(重量)%とは異なります。
Mol(モル)%でブタン(イソブタン+ノルマルブタン)の濃度が概ね0.8%を超えるとw(重量)%で1%以上のブタンを含む事となり、ラベルの貼付が必要となります。
また、客先からの要求等で50kg(120リッター)以下の小型容器にラベルを貼付しても何ら問題はありません。
Q.2バルク容器にもラベルを貼付する必要があるか
- A.2
- バルク容器にもラベルを貼付が必要です。
Q.3バルク貯槽にラベルを貼付する必要はないのか
- A.3
- 労働安全衛生法で要求されているのは、容器へのラベルの貼付です。従ってバルク貯槽へラベルを貼付する義務はありません。
尚、表示通達促進指針(告示)により、ラベルを事業場内に表示、又は掲示することが望まれています。
Q.4LPG車の燃料タンクにラベルを貼付する必要はないのか
- A.4
- LPG車は容器そのものではないためラベルの貼付は必要ありません。
Q.5LPガスタンクローリー車にラベルを貼付する必要はないのか
- A.5
- LPガスタンクローリー車は容器そのものではないので、ラベルを貼付する必要はありません。
なお、ラベル貼付の必要はありませんが、SDSをLPガスの受入事業場に渡す必要があります。(労働安全衛生法第57条第2項)
Q.6ラベルの貼付義務者はだれか、ガス販売事業者、容器所有者
- A.6
- 液化石油ガスを容器に入れ、譲渡又は提供する者にラベルを貼付する義務があり、ガス販売事業者がラベルを貼付しなければなりません。
Q.7ラベルはどこで購入できるのか
- A.7
- 現在、液化石油ガス用のラベルが販売されているとの情報は確認されていません。技術基準に添付のラベルの標準様式に会社名等の必要事項を記載して、フィルムタック(粘着性のあるフィルム)に印字すればラベルが作成できます。尚、フィルムタックは家電量販店等でも販売しています。
Q.8ラベルを貼付する場所は決まっているのか
- A.8
- ラベルを貼付する場所は特に決まっていません。容器を譲渡又は提供された者の見やすい場所にラベルを貼付してください。
Q.9ラベルの大きさに決まりがあるのか
- A.9
- ラベルの大きさに決まりはありませんが、作業者がラベルの記載内容を確実に読み取れる大きさにしてください。尚、JIS Z 7253には、危険有害性の絵表示(GHSマーク)は、1cm2 以上の面積を持つことが望ましいと記載されています。
Q.10技術基準に添付されているラベルが全ての液化石油ガスに適用できるのか
- A.10
- 技術基準に添付しているのは、あくまでもラベルの標準様式です。記載内容を追加・変更する場合は事業者の責任で実施して下さい。
Q.11液化石油ガスは密封された状態で取り扱うので容器にラベルを貼付する必要がないのでは
- A.11
- 液化石油ガスは容器から放出して使用するので、「密閉された状態で取り扱う」には該当しません。尚、「密閉された状態で取り扱う」には蓄電池、コンデンサ等が該当します。
Q.12第57条第1項の経過措置の意味を教えてほしい
- A.12
- 平成28年6月1日の時点で表示の対象となる液化石油ガスを既に充てんしている容器に関しては、平成29年5月31日までの1年間は、ラベルを貼付する必要はありません。
Q.13SDSとは何ですか
- A.13
- SDSとは、安全データシート(Safety Data Sheet)の略語で、化学物質及び化学物質を含む混合物を譲渡又は提供する際に、その化学物質の物理化学的性質や危険性・有害性及び取扱いに関する情報を相手方に提供するための文書です。
Q.14SDSはどのように利用すればよいのか
- A.14
- 事業者は、化学物質を含む製品を作業者に取り扱わせる場合には、製品の危険性や有害性等を正しく把握・評価し、その低減策を講じなければなりません。また、現場の作業者に対し取り扱う製品の危険・有害性を説明する責任があります。SDSには取り扱う製品の危険・有害性や安全衛生対策を検討する上で重要な情報が記載されています。SDSを作業現場で作業者がいつでも見ることが出来る状態にし、教育を行うなど現場で有効に活用できるようにしてください。
Q.15リスクアセスメントをしないと何か罰を受けるのか
- A.15
- 罰則規定はありませんが、法律を遵守することは事業者の義務です。
Q.16リスクアセスメントとKYは違うのか
- A.16
- KY(危険予知活動)は、現場での作業を始める前に作業に潜在する危険要因を見つけ出し、その安全対策を決定し、確実に実施をするものです。
一方、リスクアセスメントとは職場の皆が参加して作業に潜在する危険性又は有害性を特定し、それによる労働災害の重篤度(被害の程度)とその災害が発生する可能性の度合い(発生頻度)を掛け合わせてリスク(危険の程度)を評価し、そのリスクの大きさに基づいて対策の優先度を決めたうえで、リスクの低減策を検討し実施するものです。
Q.17リスクアセスメントの実施方法を教えてほしい
- A.17
- リスクアセスメントの実施手順、実施例を記載した日団協の技術指針を制定する予定です。